今週の気になる

別の場所で知り合いとやっている音楽ネタのサイトで基本的に音楽の話は完結させてるんだけど、ここではメモ的に気になるものを羅列。立ち位置はエレクトロニカ界隈。よく分からんけどテクノも入るかもしれない。
アーティスト、レーベル、タイトルなど。レビューとかはない。

レーベル:Planet Mu
古典。実は持っていないので、コレクション的に購入するつもり。

  • Jega『Variance』

レーベル:Planet Mu
上記のアルバム見てた時に、同じレーベル内でジャケットが気になった。


レーベル:Machinefabriek
参考:http://www.thisleosunrise.com/%5BTLS%5D/hello/Entries/2009/5/11_redrawn.html
Soccer Committeeのアルバムを実験音楽系のアーティストがカバーしたり、リミックスしたトラック集。セルフリリースらしいので、欲しい人は見つけたら即購入。

Myspace:http://www.myspace.com/recue
気になる人。フィンランドのRiku Annalaのソロユニット。アルバムは『All The Wrong Places』が昨年リリース。今の所この一枚。ジャケットはうさぎのぬいぐるみ。かっこいいです。

Myspace:http://www.myspace.com/miwon
気になる人。ドイツのHendrik Krözのソロユニット。2004年に『Pale Glitter』、2008年に『A to B』をリリース。音楽ライター業もしているらしい。

クローネンバーグすげぇ その1

優れた作家は最初が飛び抜けてる。もちろん、最初だけ飛び抜けて消えるのもいるけど、消えた奴なんか知っちゃこっちゃないのである。今現在存在していて、知られている作家の中でってことだ。
定番ならスピルバーグで、テレビ用だった『激突!』が劇場用に制作し直された。『ジョーズ』なんか言わずもがな。
ぶっ飛び度合いならデヴィッド・リンチ。自分のイカレ具合を上手いことアートにしてしまう。サム・ライミも『死霊のはらわた』の面白さを思えば、今の出世も理解できる。ともかくこういった連中は新人時代から、風格*1みたいなのがある。


で、クローネンバーグである。この人の映画見ればまぁ筋書きはともかく言えることは一つで、出鱈目なんだけど最後の最後まで勢いで突っ走ってしまい、観客をそれに乗せちゃう。多分天才ではなくて基地外の方である。
そんなクローネンバーグの劇場用デビュー作は『SF人喰い生物の島』。ごめん、これ邦題だ。『SHIVERS(シーバース)』*2ね。ともかく日本で最初に放送されたときは、のどかなタイトルだったので、多分一家揃ってお茶の間で見た筈だが、裸のお姉ちゃんのおっぱいが見れるわ、内臓は吹き出すわ、くる○るぱーの博士は出てくるわで、子供は喜び親は卒倒し爺ちゃんは関知しなかったこと想像に難くない。
冒頭でいきなり裸のお姉ちゃんがおっさんに絞殺されて、おっさんはパンツ一丁になるとメスでお姉ちゃん開腹して、硫酸だか何だか注いで、自分ののどかっ切って自殺する。意味が分からない。これを見て傑作だとか言う奴がいたら、お脳の病院にでも行った方がいい。これ以上粗筋を書くのがばかばかしいのでなるべく簡単に済ませると、パンツ一丁は博士で寄生虫の研究を自分の教え子を使ってやってたらしいのだが、なぜかこの寄生虫がいるとお姉ちゃんたちが痴女になてしまいあれこれしてしまうので、責任とって殺して死んだのだが、あれこれした男共から別のお姉ちゃんへと伝染していき、ゾンビのように動き回りつつあれこれしまくるお姉ちゃんで溢れかえり、わぁ大変FIN。
意味が分からない。奇作とか怪作とかそういう話ではない。こんなの映画にしようと思うのはクローネンバーグしかいない。つまり、そういう監督なんだよこの人。

*1:いろんな意味で

*2:今調べたらDVDは出てるみたい

Twitterで眺めてるアカウントまとめ

友達いないので個人のユーザーさんと殆ど繋がりがないんですが*1、その代わりにあっちこっちの団体とかフォローして眺めてます。これが結構面白い。自分が喋らなくてもいいし。なんか面白いアカウントがあったら是非教えてください。
以下僕が見てるもの。

ゲーム情報

  • 4GamerNews

多分定番。でもあんまり好きなジャンルのゲームの情報を見かけない。

  • IGNcom

ゲームとアメコミのネタ拾いにはちょうどいいIGN.comのアカウント。

  • gamekicker

IGNと同じようなもんだけどこっちはゲームネタオンリー。たまに笑えるネタもあって好き。

  • OPM_UK

イギリスの『PlayStation Magazine』。たまに質問に答えてくれる。

  • g4tv

ゲーム動画とかのリンク。ネタ的にはgamekickerと被り気味。

ゲーム開発会社

  • InfinityWard

CoD4とか開発してるInfinityWard。更新頻度が低くてつまらん。

  • EA

そのまんまEA。そこそこニュース量は多いんだけど、IGNとかで見たようなのが多い。

これもまんまUbisoft。マイケルの時に「みんなでムーンウォーカーやろう!」って呼びかけててちょっとぐっと来た。

  • KillzoneDotCom

正確にはソフトだけど、まぁ開発会社が運営してるので。

  • insomniacgames

『首なし探偵デッドヘッドフレッド』が面白くて気になった会社。

  • SonyPlayStation

GKなんで。

音楽系統

  • RoughTradeLab

ラフトレ。

  • ninjatunehq

Ninja Tune

  • thewiremagazine

音楽雑誌『WIRE』。新刊のネタを眺めて注文するかしないか決めるのに利用。

  • allen_heath

機材メーカーのAllen & Heath。技術的な質問に答えてくれるので役に立つ。

  • warpbot

Warp Recordsのニュース拾ってくるBot

ニュース

  • bbcbreaking
  • bbcnews

BBC。正直見かける時間が同じようなもんなので二つとも見てる意味はないかも。

  • cnn
  • cnni

CNN。これはインターナショナル版とアメリカ国内版だけど、こっちからするとどっちもインターナショナル。

  • magnumphotos

マグナム。最新の写真のリンクが貼られる。

  • LIFE

ライフ。たまーにコラムニストの人が呟く。

共産趣味

  • RussiaNow

ロシアウォッチャーの人の情報。

  • realussr

結構知られている共産趣味サイトの情報。サイトでどんなネタやってるかチェックするのに使う。

  • communistsusa

アメリ共産党。国内事情の話が多くてネタ的には微妙。

科学ネタ

  • NatGeoSociety

ナショジオ

まんまNASA

  • nasahqphoto

NASAの写真リンク。

  • CassiniSaturn

土星探査船の呟きw。最近5歳になったらしい。

  • MarsPhoenix

火星探査船の呟きw。着陸時の実況をしてた。

  • MarsRovers

火星探査機の呟きw。ホームシックになったらしい。

*1:ハイク始めてハイカーさんが増えてちょっと賑やかに。

オススメゾンビ映画番外編 ― 明後日へ向かう英国ゾンビ

今日は水野節はなしでさくさくいっちゃうからね。
英国と言えばホラー。ホラーと言えば英国。ハマー・フィルム・プロダクションを知る人は誰だって当然そう思うはず。なんてったってピーター・カッシングクリストファー・リーって二大怪奇爺さんがいたんだから*1。そういや二人ともスターウァーズ出たんだよなぁ。ともかく、英国でホラー撮られなかったらテレ東がアニメ流さないくらい異常なことだ、とアメリカ人も言っていた。そんな感じであるよ。
しかし、しかし、なぜかゾンビ映画を撮るとハマーを含めて斜め上になってしまう。もうこれは何かの呪いだと思うのだけど、ともかく斜め上なんだよこれが。

『吸血ゾンビ(THE PLAGUE OF THE ZOMBIES)』

吸血ゾンビ [DVD]
もう名前からして何かがおかしいことに気がつくのだが、あえて言うよ? 吸血するのはドラキュラじゃないかなぁ。邦題が悪いと言えばそこまでなんだけど。ハマーさんですらこの有様です。内容自体は凡庸だけど、ハマーらしい格調高いホラーになっていて、奇麗なお姉さんが墓の中からウボァーって出てくる所とか、非常にドキドキする。ゾンビのメイクも当時としては結構レベルが高い。
とは言ったものの、コーンウォールののどかな田園地帯でブードゥーがどうのうこうので、儀式の時にハイチから連れてきたというシャーマンみたいなのが3人掛かりでドンドコドンドコ太鼓叩くのはやっぱり何か違う。「村人をゾンビにして働かせる」とか悪役の目標が凄く小さいのもなんというか。もうちょっと、こう、何とかできたはずだろ。後々雑誌なんか見てると監督自身が「最低の映画だった」とか仰っているので、まぁ最低だったんだろう。ちなみに特に吸血なシーンはない。

スペースバンパイア(Lifeforce)』

スペース・バンパイア [DVD]
名前のまんま。Wikipediaだと何故かがんばって褒めているんだけど、映画を簡単に説明すると宇宙から来たドラキュラに精気吸い取られて裸のお姉さんがキャッキャウフフである。一応ゾンビも出てくる。
かかってる金はA級でスタッフもなまじ豪華なだけに、中途半端なことこの上ない。斜め上を通り越して、そのあと地面に叩き付けられた感すらある。同時期にアメリカで『バタリアン』が作られたなんてとても信じられない。まぁ、マチルダ・メイの裸が凄いので見る価値がないとも言えない。


ここまで来てふと気がつくと思うのだが、何故か英国ゾンビ映画には吸血鬼がぶらさがってくるのだよ。吸血鬼が。クリストファー爺さん、あんたは罪な人だよ。「ゾンビ→ホラー→ドラキュラだろ!」って英国人のDNAに刻み付けちゃったんだよ。
ともかくこんな感じで1990年代くらいまで英国ゾンビはへろへろである。関係ないが、英連邦の一部である豪州はなぜかやたらと食人映画が多い。なんでだろうなぁ。これも先祖のDN(ry。あんまり言うとまずいからやめておこう。
そんなこんなで2000年代に入ってもやっぱり斜め上なのだ。

28日後......』

28日後...(特別編) [DVD]
正確に言うとゾンビ映画じゃないけど、まぁ、その後のゾンビ映画でこの系統が流行ったので一応ゾンビ映画ということに。話自体は別に血がどばどば出る訳でも、ドロドロ腐っちゃう訳でもなく、なんというか人間ドラマなのだけれど、ゾンビ(じゃないけど)がダッシュしたりとかなかなかの新機軸を見せてくれた映画ではある。ただなぁ。走るのはなぁ。ゾンビは走らないってゾンビの神様が言ってるからなぁ。いやこの映画はゾンビじゃないけども。ともかく走るのはいかん。走ったら次でご紹介するアホ映画か成立しなくなる。あとミイラも走ったらダメだと思う。走っていいのは半魚人とドラキュラくらいだな。
この時点ではまだ離陸し始めたくらいで、斜め上までは到達してない。

『Shaun of the Dead』

ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]
勢い良く斜め上へと踏み出した第一歩。ただしこれは良い意味で斜め上。ホラーコメディーは色々あったが、徹底的にお約束しながら突き抜けたのは珍しい。随所にロメロへの憧憬の念が見て取れるんだけど、時折差し込まれる分かり難い英国ネタが斜め上感を煽る。そのくせ感動を煽るようなネタも織り込んでくるので油断ならない。イギリス人の理解できないユーモアセンスと何かがおかしいゾンビ感が程よく混ぜ合わさった良作だ。
しかし、そもそもクリケットのラケットで殴る威力が分かりにくい。バットで殴るのと同じかなぁ。ともかくこの映画を見たら護身用にクリケットのラケットを一本買って置こうと思うのは間違いない*2

『Boy Eats Girl』

多分日本盤はないんだけど、要はタイトル通り、高校生の男が色々あって死んで復活して女友達やら彼女やらをムシャムシャ襲う話であるよ。最終的にはヒロインの家で女子高生VS男子高校生ゾンビになるんだけど、芝刈り機でゾンビ刈って噴水のごとく赤い液体が飛び散るあたりが一番金がかかったそうで、多分このシーンが撮りたくて作っただけだと思われる映画。
序盤の安っぽいティーンズドラマ風な感じからゾンビ映画になる流れは面白いような気もするんだけど、しかし英国だしなぁと思っていると案の定、という斜め上な意味で期待を裏切らない。
あ、これ冷静にパッケージ見たらアイルランドだった。


もういいやめんどくせ。ともかくこんな感じなんだよ、英国ゾンビ。でも、何と言うか独特の斜め上感があって、アメリカゾンビの映画を見て8割方味わうあの空虚な感じとは違ったポジティブながっかり感のような、そんな感覚が味わえるよ。
普通のがっかり感じゃ物足りない! という猛者は是非英国ゾンビをどうぞ。

*1:片方はまだぴんぴんしてるけど

*2:ゴルフクラブでも良い

オススメゾンビ映画 ― 正しいゾンビ映画の楽しみ方2

ごきげんいかがですか? 水野晴郎です。昨日に引き続いて、今日も特別企画で、素晴らしいゾンビ映画をたっぷりと楽しんで頂こうと思います。
(中略)鏡を使ったりですね、ハイテンポのパンフォーカスを使ったりですね、このあたりの映像のテクニック、たっぷりとお楽しみ下さい。ごゆっくりとどうぞ。


いい加減水野晴郎ネタも尽きそうなものだが、この人はいつもこの調子で、どの映画にもこの語りが当てはめられる。聞いていると大抵の映画は凄い傑作のように思えるのだから、水野晴郎マジックだろうなぁ。シベリア超特急も本人の解説付きで見ると、一瞬だけ傑作に思えます。
それはさておき、前回はロメロ御大のゾンビ三部作をオススメした訳ですが、この三部作を知らなかったらゾンビ映画見るのなんか辞めた方がいい位の基本中の基本。もはや聖典みたいなものであり、この三部作見ずして「俺ゾンビ映画好きなんだよー」などと語ろうものなら即座にゾンビと化すことでしょう。で、今回は基礎を押さえた皆さんにオススメしたいのは、御大が生み出したゾンビをきちんとエンタメに昇華した作品の数々。やっぱ怖いだけじゃなくて楽しめなきゃいかんのですよ。

『THE RETURN OF THE LIVING DEAD

バタリアン [DVD]
タイトル見たら「ああーゾンビ映画か」とモロ分かりな本作。それが何故か日本で公開されると『バタリアン』という名前になるのだからよく分からない。昨今はゾンビ映画といえば「〜of the Dead」というのが結構周知されているようで、邦題もカタカナでこの調子なのだが、20年ほど前にもなればゾンビ映画の邦題は配給会社が日本語の限界にぶち当たったとしか思えないようなものがズラズラと並んでいた。『ゲシュタポ卍死霊軍団』とか、もはやハーケンクロイツではなくお寺のマークなのだが、ゲシュタポと寺と死霊が組んでなにをするというのか。
話がそれた。
ちなみに本作は東宝東和さんが当時配給したようだが、「バイオSFX」とかよく分からん触れ込みで、「UCLA生態研究所、メキシコ大学考古学研究所ほか、バイオSFXプロジェクト総結集!!*1」などと謳い、登場するゾンビにオバンバやらタールマンやら名前まで勝手に付けてしまうハイテンションぶりだった。お陰でVHSの吹き替え版なんかを見ると、ゾンビが出るたびに「オバンバ(吹き替え声優さんの名前)」などカオスな字幕まで出ていた。ここでピンと来たかもしれないが、オバタリアンの語源が『バタリアン』である。
この『バタリアン』だが、権利上では『NIGHT OF THE LIVING DEAD』の正当な続編となっている*2。ほんで期待しながら見てみると、あら不思議。非常によくできたパロディになっている。「そんな投げやりなオチなのかよ!」と誰もが突っ込んでしまうラストを除けば、ほぼ全編に渡って非常に楽しめる。ギリギリ子供と見てもいいんじゃないかなぁ。
トライオキシンという謎の物質が色々あって漏れてしまい、これが何故か死人を動かす不思議パワーを持っていて、墓地やら死体安置所なんかからゾンビがわっさわっさ出てくるというわけである。犬の剥製にトライオキシンが噴きかかって、輪切りになった剥製が台の上でひょこひょこ動くシーンなんかはギャグの世界だ。ともかく、ロメロの路線を踏襲するのは無理だと踏んだ監督のダン・オバノン*3が上手いことパロディにしたお陰で、楽しめるゾンビ映画となったわけだ。


本作は結構人気作だったので案の定続編が作られたのだが、2はセルフリメイク的な内容で凡庸。見なくてもいい。3はB級ホラー界ではかなり知られているブライアン・ユズナ*4が監督を務め、ロマンス要素を加えたゾンビ映画に挑んだが、いかんせん監督がB級しか撮らない人なので、内容は推して計るべしな状態。2000年代に4だの5だの撮られているのだが、まぁレンタル店の隅っこで嘘くさいオーラを放っている連中の中のひとつと考えていただければ問題ない。やはり映画は監督が大事だよなぁ、というお話。

死霊のはらわた(Evil Dead)』

死霊のはらわた [DVD]
あえて邦題で紹介するなら、この作品しかない。僕が初めて見た「死霊の〜」系はこれが最初だった。もし、これ以外の作品を見ていたらゾンビ映画にハマらなかっただろう、と言えるくらいマイベストな作品だ。「ロメロ以外で傑作は?」と聞かれれば、間違いなく本作をオススメする。
ストーリーはなきに等しく、話も山の中の小屋で進むだけだし、出てくる人も少ないし、ゾンビもそう多くはない。はっきり言って、あらすじだけ見ると全然面白そうには思えない。つか、あらすじは面白くない。「山小屋であんなことやこんなことをしようと思ってカップルが入ってみたら、死者の書が置いてあって面白そうだから開いたら悪霊が復活してゾンビ襲来主人公の拳が唸る!」とか、読んでて面白そうだと思うだろうか。じゃあ、なんでそんなにオススメなのよって、ともかくテンポが良くて、カメラワークが凄いのですよ。話が凡庸なのに、次はどうなるんだろうかと常に思わされ、カットが変わってビクっとさせられる。脚本が面白くないのに、見ていると面白いという、ホント素晴らしい作品なのだ。極限までホラーで「楽しめる」ことに挑んだ名作だ。
チェーンソー振り回したり、ボコボコに殴ったりと、やたら肉体派でゾンビとどっちが悪なのか分からんような振る舞いを見せる主人公もイかしている。主人公を務めるブルース・キャンベルがこれまたカメラ映えしない濃い奴なのも良い。この人が主人公務められるのは本作だけだろう。
こんな名作を生み出した監督の名前をサム・ライミ*5という。天才は最初から天才だ。天才ぶりとは関係ないが、カメラが悪霊の視点で素早く移動する時に響く「ゴゴゴゴゴゴゴゴ」という音はライミ自ら吹き込んでいる。映画を撮るのが好きでしょうがないのだろう。


ほんでまたまたこいつにも2があるのだが、この2は予算不足でセルフリメイクになってしまい、内容は全く同じである。多少出てくる悪霊が派手になったくらい。一作目で満足した方は別に見なくてもいいのだが、次で紹介する作品に繋がるオチなので、一応見ておいてもらいたい。

キャプテン・スーパーマーケット(ARMY OF DARKNESS)』

死霊のはらわたIII キャプテン・スーパーマーケット [DVD]
これもあえて邦題で紹介しておきたい。またしても東宝東和さんなのでタイトルはさっぱりだが、『死霊のはらわた*6の続編である。最初に言っておくと、すでにゾンビ映画ではない。よくできたファンタジー映画だ。もうちょっと見栄えのする、ブルース・キャンベル以外の俳優を揃えて、どかどか金をかければ、スパイダーマンに匹敵するくらいにはできそうに思える面白さがある。ライミ自身もこういうのが撮りたかったというから、徹底してエンタメ向きの人なんだろう。
ゾンビ映画ではないので、このあたりで紹介は止めておく。ライミのゾンビ映画、というのがもう見れないかもしれないのは残念だが、それはそれでいい。ロメロ御大とは違う方向で、ライミは賞賛されるようになった。それは素晴らしいことじゃないですか。

*1:考古学研究所がなぜSFXプロジェクトに参加しなければならないのだろうか

*2:続編の権利を売ったので、ロメロはノータッチ。御大はハリウッドとは縁がないのでいつも金欠なのだ

*3:『エイリアン』の脚本家。人外が出てきて暴れる映画の脚本には定評があった

*4:ホント感心するがこの人の経歴でA級の映画は一作しかない

*5:スパイダーマン』の監督、と言えば分かる?

*6:正確にはセルフリメイクの2の方

オススメゾンビ映画 ― 正しいゾンビ映画の楽しみ方

ごきげんいかがですか? 水野晴郎です。さあ、今日は特別企画で、素晴らしい映画をたっぷりとご紹介していこうと思います。
皆さんお待ちかねのゾンビ映画です。ゾンビというとですね、腐ってしまってこんな風にドロドロになった動き回る死体を想像するかもしれませんが、本来はブードゥー教における怪物全般を指すんです。ご存知でしたか? いやー、想像するだけでも怖いですね。
面倒なのでここからは普通に書きます。まぁそんなWikipediaに書いてありそうなことはどうでもいいので、ゾンビ映画大好きな僕が、ゾンビ映画見たことないあなたにオススメのゾンビ映画について数回に分けご紹介。彼女と見ても彼氏と見ても、一人で見てもいい。お子さんと見るのはどうですかね。そこはご家庭の情操教育の方針にお任せしますね。
ネタバレは避けたいので、大枠以外はあんまり触れないで話すのでそこんとこよろしく。
ゾンビ映画って言ってもホント無数にあるので、なるべく王道中の王道、レンタルしやすそうな、Amazonにありそうなタイトルに絞ってご紹介。今回はロメロ御大の「ゾンビ三部作」。この世にゾンビを作り出した天才の作品をオススメします。
 

NIGHT OF THE LIVING DEAD

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド スペシャル・エディション [DVD]
人を食う動く死体、という人類の文化の中でもトップクラスの化け物を初めて登場させたのは、ジョージ・A・ロメロ御大の『NIGHT OF THE LIVING DEAD』。一度ゾンビになってしまえば深い背景なんかなくったって家族や隣人、子供が襲ってくるというショッキングさが凄い。
しかもスーツなんかなくても死化粧と血糊であっという間にゾンビになれる。財布にも優しいという史上空前の発明と言っていい。おかげでインディペンデント系のプロダクションや若手の監督なんかの撮るホラー映画にはやたらとゾンビが登場するようになった。
そんな本作は怖いか怖くないか、で言うと視覚的にも心理的にも怖くない。が、一軒家に立て篭る数人の密室劇を描くだけで、よくここまでテンポよく面白くしたよなぁ、と感心すること間違いない。


本作を見る上で気をつけておきたいのが、同名のリメイクが数本存在する、という点だ。現在は絶版でうっかり間違える恐れがないものを除くと、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』と『NIGHT OF THE LIVING DEAD : 30TH ANNIVERSARY EDITION』の2本が代表的なリメイク版。
『〜死霊創世紀』の方は、ロメロ作品では欠かせない特殊効果アーティスト、トム・サヴィーニが1990年にリメイクしたもので、基本的にストーリーは同じで微妙にオチが違う程度。脚本はロメロ御大だし、サヴィーニの特殊メイクを見たいなら別にこっちでも問題はない。
『30TH ANNIVERSARY EDITION』がとんでもない食わせ物で、記念版とか謳いながら実は一切ロメロが絡んでいない。「当時の未公開映像が」とか言いつつ、後から脚本家が勝手に撮ったフィルムを初代の『NIGHT OF THE LIVING DEAD』にツギハギした、もの凄く出来の悪い一本。こんなの最初にうっかり見てしまうとそれ以降ゾンビ映画が見る気失せること間違いない。注意してほしい。

DAWN OF THE DEAD

「ゾンビ」(1978)ディレクターズ・カット・エディション [DVD]
日本では『ゾンビ』の名前で知られる、ロメロ御大のゾンビ三部作の二作目。三部作全てが広さの違いはあれ、基本的に密室劇になっていて、第一作目では一軒家だったが、今作ではやや広くなってショッピングモールとなる。そう、ショッピンモール。もはやゾンビ映画の古典とも言える、
「ショッピングモールに立て篭る」という形式が初めて撮られたのが本作なのだ。
ゾンビのスタイルが固まってきたこともあって、『NIGHT OF THE LIVING DEAD』よりも怖さはもちろん、特殊効果やコメディ的な要素をちりばめ、アクション要素もありと、非常に見ていて楽しい一本に仕上がっている。特殊メイクや効果を担当したトム・サヴィーニーが実は役者として出ているところもファンなら押さえておきたい。
本作で重要なのは、舞台がショッピングモールになったことで生まれる人間の欲の描き方だ。ゾンビ映画の体裁を取りながら、実はどす黒い人間ドラマをやってのけたわけ。「地獄がいっぱいになると死者が地上を歩き出す」という名台詞が出てくるのが本作。怖いのはゾンビより人間だ*1


ちなみに、本作はアメリカ・イタリアの合作扱いになっていて、ロメロ版の他にイタリアのホラーの迷匠ダリオ・アルジェントによる編集版がある。アルジェント編終版は重要な人間ドラマがさくさく削られてただのテンポのいいホラーアクションになって、ハッピーエンドに改変されるなど、もはや別物。水野晴郎じゃないが、「現代社会へ向けた監督からのメッセージ」を読み取りたいとか、ロメロ一流のブラックユーモアを味わいたい人は是非ロメロ版を見て欲しい。

『DAY OF THE DEAD』

死霊のえじき 完全版 [DVD]
邦題では『死霊のえじき』。ゾンビ映画なんだし、死はともかく霊じゃないのだが、まぁ柳の下のなんとかを狙った配給会社のやったことなので仕方がない。三部作の最終作であり、磨きに磨きをかけたゾンビ映画の究極の完成形とも言える。ともかくはっちゃけたサヴィーニの仕事ぶりが素晴らしい。内臓も血液も文字通り出血大サービスこの上ない。
舞台は地下のシェルターとなり、登場する人間の数もぐぐっと増えた。人間が増えた分、人間ドラマも複雑さを増し、軍人、科学者、民間人の三者が延々互いの利害を主張して終始重苦しい空気に包まれている。この全体に漂うドヨーンドヨーンとした空気は本当に素晴らしい。自分のミスでゾンビに齧られる軍人がいたり、ゾンビの研究に夢中でゾンビを飼育し始め、餌に人間の死体を与えるマッドな博士だの、ともかく楽しくなってしまう救いようのなさがたまらない。
さて、十二分に楽しい本作だが、実は究極にふさわしい演出がある。ゾンビと人間の交流だ。いやゾンビだって人間だしってそれはそうだが、はなからこっちを食うことしか考えてない奴と仲良くするのはなかなか難しいぞ。ともかく、劇中登場するバブというゾンビとのヒューマンドラマ?はなかなか。後々ゾンビを飼育したり、ゾンビとの触れ合いをネタにしたコメディー映画なんかも出たことを考えると、やっぱロメロ御大の先見性は凄いのだ。


ほんでもってこれまた『DAY OF THE DEAD 2』という自称続編があるのだが、ロメロノータッチな上につまらん映画なので、見なくても全然問題ない。

ジョージ・A・ロメロ

映画じゃなくて、監督の名前。ともかくゾンビ映画では凄いことこの上ないのが、なぜか御大、ゾンビ以外の映画では途端に凡作になる。下手すると駄作になるので、つくづくゾンビに見入られた人なんだろう。一時『バイオハザード』を監督するなんて噂が流れてぬか喜びしたこともあったけど、まぁ御大はハリウッドで大作映画撮るなんて似合わない人なのだ。

ところで、(ロメロ)←この顔文字、御大そっくりじゃありません?

*1:上手いこと言ったぜ的な

デクスターが面白い件

なんか病欠中にSNS更新してたら首が飛んだりするらしいのだが、勤務中にプラモ買いに行くアホがここにいるのでおkおk。首が飛んだらどうしようかなぁ。プロゲーマーになるか。


そんなことはどうでもよくて、最近はプラモ買いに行きながらもそこそこまじめに仕事をしているので、お家に帰る時間も23とか24とかファニーな時間になっています*1。こうなるとテレビ見ても流行のドラマが見れる訳でもなく、そもそも番組表などチェックする気力もないので、とりあえずDVDなど借りる訳ですが、面白いんだよ。デクスターが。カートゥーンの方じゃなくて、FOXとかでやってる『デクスター 〜警察官は殺人鬼』の方*2
感情を持たないサイコパスな主人公が、普段は好青年を演じつつ、夜な夜ななかなか凝った方法で犯罪者をころころしているという、まぁありがちなお話ではあるのだけれど、面白いのは3点ほど。
ひとつ目は、主人公のデクスター君がよなよな血の惨劇を繰り返すのは、殺したいからであって、別に正義のヒーローだからではない。ただのダークヒーローではなくて、こいつも結局ただの犯罪者、ってところがピリッと辛くて面白い。殺した相手の血を集めてる、って設定も良い。
二つ目はお昼の仕事が警官てとこ。タイトルのまんまだけど、感情があるように振る舞う特訓をしていて、昼間はみんなから好かれる正義感に溢れた爽やかな青年を装ってる。まぁ、これもよくあるっちゃよくある話なんだけど、表裏が極端すぎる割に毎回破綻なく話をまとめてくれるので面白い。
三つ目は、こんなCSI的なクライムサスペンス系の設定満載でありながら、何故か毎回非常にコメディ臭い演出であるところ。悪趣味っちゃ悪趣味ですが、よくできてるなぁーと思ふよ。我は。下手すると、フルハウスばりに笑い声とか挿入されるんじゃないかと毎回ハラハラしてるよ。
あと、感情ないくせに妹と仲が良いんだよなーデクスター。

*1:あ、プラモ買ってるから遅いのか。今度から買うの止めよう

*2:流行ってないかと思いきや、Wikipediaの記述は結構丁寧なので、流行ってるのかな