階級闘争

階級闘争(かいきゅうとうそう)とは、トランプを使ったゲームの一つである。

概要

階級闘争とは、カードをプレイヤーにすべて配り、手持ちのカードを順番に場に出して早く富を再分配することを競うゲームである。一般的に4〜6人程度でプレイするのに適しているが、7人以上や3人でもプレイ自体は可能である。1人ではプロレタリア革命の絶対的成功となり、その時点で勝利が確定する。1ゲームでの順位が次ゲーム開始時の階級に影響する点が特徴で、資本家を撲滅するゲーム性から「階級闘争」という名称がついた。

西側資本主義国家ではこのゲーム性が都合良く解釈され*1、プロレタリアから資本家が如何に効率よく搾取を行い、弾圧を加えるかという点に比重が置かれている。また、独自解釈による修正主義に基づいたルールも多数存在し、これについて全ソ階級闘争普及委員会は度々抗議を行っている。


唯一の呼称

このゲームは階級闘争の他には呼称は存在しない。社会主義的リアリズムの欠如が見られる呼称などは当局による監視対象であり、そのような呼称を考案した者は速やかに出頭し自己批判を行う必要がある。

上記のようにこのゲームは、ゲーム自体に唯一の呼称があり、同様にあらゆる用語について党と連邦最高ソヴィエトによって定められた統一呼称があり、これらを逸脱することは反革命的行為である。本項では特に必要でない限り党と連邦最高ソヴィエトによって定められた呼称で記述している。

-本ゲーム名 - 階級闘争
-階級呼称 - 階級は存在しないが、人民が尊敬すべき順に同志レーニン、兵士、労働者、資本家、貴族。


基本ルール

以下に記述するものは党と連邦最高ソヴィエトによって定められたルールであり、公式ルールである。ここでは単純にゲームの進め方のみ記述する。

1. 全てのカードはプレイヤーに均等に分配される。
2. ゲームは党幹部もしくは党関係者から始める。最初の党員が手札から最初のカードを出し、以降順番に次のプレイヤーがカードを出し重ねていく。
3. カードには価値があり、価値の低い順に3、4〜10、J、Q、K、A、2とされる。

革命(同じ数字を4枚同時に出す)がおきればと3〜2の価値が逆になり、3の価値が高まる。革命が一度起きた時点で再び革命が起きることはない。二度目の革命を起こした者は反革命・右派・トロツキストとして当局に速やかに通報する義務がある。

4. 次のプレイヤーは、場にある現在のカードよりも価値のあるカードしか出すことができない(例:場には9が出ている→10以上の価値があるカードしか出せない)。
5. 出せるカードがない時、もしく独占欲を発揮する場合(例:プロレタリアに富は再分配したくない、など)にはパスが許されるが、ゲーム終了後速やかに自己批判を行う。
6. 他のプレイヤー全員がパスし、再び場にあるカードを出したプレイヤーまで順番が回ってきた場合、そのプレイヤーから再開される。場にあるカードは放棄され、そのプレイヤーは手札から好きなカードが出せる。
7. 最初にカードを出すプレイヤーは複数枚の同じ数字のカードを合わせて出すことができる(例:10を2枚出す、 2を3枚出すなど)。複数枚カードが出ている場合、プレイヤーはその数字より強いカードを場と同数枚組みにして出さなければならない(例:9が2枚出ている→10以上の強さのカードを2枚出さなければならない)。
8. 3〜7を繰り返し、一番早く手札の再分配を行ったプレイヤーが同志レーニンとなり、以降上がった順に兵士、労働者、資本家、貴族と呼称がつく。参加人数に応じて呼称の種類は増減する。詳しくは「呼称」を参照。
9. 第2ゲーム以降は、カードが全て配られゲームが開始する前に、同志レーニンと貴族、兵士と資本家のプレイヤーがそれぞれ手札の中で最も価値のあるカードと最も価値のないカードを交換する。(これを「富の再分配」と呼ぶ。)詳しくは「富の再分配に関するルール」を参照。
10. 貴族を親として次のゲームが始まる。

呼称

2ゲーム目以降にプレイヤーに与えられる呼称である。同志レーニン、労働者、貴族などを使うのが基本である。

4人、または5人

* 最上位 - 同志レーニン
* 2位 - 兵士
* 3位 - 労働者
* 4位 - 資本家
* 5位 - 貴族

6人以上

* 上位 - 同志レーニン、政治将校、兵士、工場労働者、農民、ソ連邦英雄 など
* 下位 - 貴族、資本家、米帝中共、皇帝、反動、トロツキスト など
* 特殊な呼称を使わず、6人以上増えた人数の分だけ、間の労働者を増やす場合もあり、その場合が一般的でもある。

*1:「大富豪」という忌まわしい名称に改ざんされていることは広く知られている