PATAPON買うよ

ガメ

GAMEをローマ字読みすると「ガメ」。それだけだ。
理屈じゃないところで“楽しそうなゲーム”と思ったあなた。その勘は正しい - ITmedia +D Games
買いますよ。しかしはてなで宣伝してもニッチな人気しか出ないと思うんですがどうでしょうか。不安材料とするならロコロコが僕には全く面白くもなんともなかったということだけど。PATAPONとは関係ないがアサクリも買いたいんだけど、絶賛も批判も特に見当たらないから踏ん切りがつかない。一押し欲しい。

正直僕が理屈抜きで楽しそうだと思ったゲームは大体僕を裏切っていったのだが、どうなんだ。ちなみに数少ない裏切らなかったタイトルはMGSと時のオカリナで、この2本はそれこそサルのようにはまった。両方とも98年に発売されたのだが、今考えても恐ろしいほどにやり込んだ。
MGSは発売日に買ってきて、その日からひたすらやり続けた。メリルの周波数が分からず僕のゆとり脳では危うくクソゲー認定されかけたが、判明すると神ゲーとなった。気分はもうスネーク。見つかってはいけないという緊張感。微妙に現実的でSFチックで戦争映画な舞台設定と物語。さすがに徹夜するのは青少年の肉体には過酷だったので夜は普通に就寝していたけど、目を閉じてもまぶたにはゲノム兵の姿が浮かんで、もしや眼球に焼きついたかしらとか思ったもんだ。「ゲーム作る人になりたいなぁ」とか思っていた少年はこのソフトでそれは諦めた。「こんなゲーム思いつくわけない」。そもそもプレイヤーでいる方がずっと楽なんだと知ったのはそのずっと後のこと。
時のオカリナも発売日に購入したのだけど、僕はN64を持っていなかった。今考えると持っていないハードのソフトを購入することも理解できるけど、当時は自分の精神状態を疑いましたね。ちなみに12月になって友人のA君からN64を借りることでようやくプレイ。ゲームが始まった瞬間とてつもなく感動した。存在しない世界が極限まで存在しそうなところまで近づいてる気がした。物語自体はMGSの時ほど感動を呼ばなかったけど、何かゲームがすごいことになっているという感動が大きくて印象に残ってる。ともかくこの世界を味わいつくそうと思ってひたすらやり続け、年末は大晦日から元旦まで徹夜。初徹夜プレイ。2日は死んだように眠り、3日は再び一日中ゲーム。もしその後もうちょっとN64が盛り上がっていたら妊娠になっていたかもしれないけど、気が付くとSGGK*1。惜しかったな任天堂。ちなみにヌンチャクとか健康器具にはノータッチ。トワイライトプリンセスもやろうかと思ったが、プレイ画面を見てもあの時の感動はなかった。単に映像が綺麗なのが当たり前になった以上に、僕の中の新鮮さに対するアンテナが衰えた気がする。
当時はPCにもネットにも全く興味のなかった僕はプレイ日記をつけて攻略法から小ネタ、アホプレイ方法まで事細かに書き取った。今でもそのノートを見ると自分のネタ原点はここにあるなぁとか感慨深くなる。黒歴史にするにはちょっと惜しいので、グレー歴史くらいで保管してる。この情熱をもう少し別の方向に向けられなかったのかと思わなくもないけど、まぁ後悔はしていない。



それで

振り返ると業界構造が云々とか才能がどうとか以上に、ゲーム制作とかには関わらなくて良かったと思ってる。ゲームはすごく好きだし、洋ゲーでもなんでも面白いと思ったら今でもサルのようにプレイしてる。趣味を仕事にしたくないとかに近いのかもしれないけれど、僕はゲームをやる前やプレイ中に「なんとなく」面白そうとか、「なんとなく」楽しいとか、「なんとなく」だけど感動したりしてた。今でもそう。でも、受け手としてはそれでいいんだけど、実際に作り手にまわったときに「なんとなく」なんてありえないと思ったの。作り手の考えが曖昧なままで、でき上がった物が面白いわけない。
どっかの本で同じようなことが書いてあったけど、知り合いの編集者がその内容にえらく感心していて僕は呆れたもんだ。「え? お前なんとなく本作ったり構成考えてたの?」と。自分が関与しているモノ作りの過程で「なんとなく」なんてありえないのは当たり前だ。出発点が「なんとなく」でも、最終的には方向を定めていないとどうしようもないと僕は考えていて、「なんとなくって感覚が大事」とか言う人は信用しない。「分からない」っていうならまだ理解できる。自分が分かっていないことを把握しているんだから、その後だってどうとも対応できる。でも、「なんとなく」ってなんだ。そんな怪しげな感覚信用できるわけないだろう。大変だろうが時間がなかろうが、制作進行中なら必死でその「なんとなく」をぶち壊して自分の考えなりなんなりを把握しなくちゃいけないんだよ。
受け手に回る時には「なんとなく」を大事にしていい。書籍やゲームを読んだりプレイするのに期限はない。時間をかけてその「なんとなく」を掻き分けてみればいい。面白かった理由や楽しかった理由や感動した理由がでてくるはずだ。人生にも期限があるけど、締切日よりよっぽど先。
まぁ、仕事の愚痴です。

*1:スーパーがんばりジーケー