足なんか見てもがっかりする場合が多いので見ない

まず顔を見るだろ常識的に考えて

二徹。かのナポレオン君は「俺最近3時間しか寝てないんだけどw」とか周囲に中学生のような自慢をしつつ、お昼寝をたのしんでたという許しがたい男である。ちなみにこの二日間の睡眠時間は記憶にある限りでは3時間くらい。60分くらいはうつらうつら居眠りしてた時間で、あとの2時間はついさっき1時間くらいの仮眠のつもりが1時間余分に寝過ごしたというオチ。
性欲、食欲、睡眠欲の内、僕は睡眠欲が圧倒的に強い。放っておいたらいつまでも寝ている。寝ないともたない人なんです。赤ん坊の頃は毎日スヤスヤと爆睡し、手のかからない子だと両親を喜ばせたのは言うまでもない。おかげで後頭部がぺったんこ。もちろん、ゲームをしている時は全く睡眠欲を感じない。
昨晩は眠気と空腹のあまり職場の周りを徘徊していたら、若いサラリーマンが連れのお姉さんになにやら一生懸命説明していた。経済至上主義によって侵害されつつある文化について思いを馳せたりするような僕としては、聞き耳を立てるなど非文化的すぎてやらないのだが、サラリーマンの声が大きかったので聞こえてしまった。
「それはライトユーザー。つまり、利用率の低い人」
なんと。まさかマンガに登場する解説キャラのような話し方をする人間が実在するとは。「それはチカン。つまり、足を見るオジサン」と言っているようなものだ。わざわざ「つまり」までつけて説明するくらいなら最初から「利用率の低い人」とか「足を見るオジサン」と言うべきではないだろうか。バカかこいつ?
しかし、待ってほしい。この発言は実はかなり上手い気がする。

  • 説明責任を果たしている

素晴らしい。何せ、日々新しい言葉が生まれてくるような現代。当然のように使っていた言葉に新たな意味があったということがないこともない。いや、必ずあるであろう。反語です。「ピーナッツ」をナッツ類だと思う人もいれば、チャールズ・M・シュルツのマンガだと思う人だっているだろう。自分の当然が相手にとっても当然とは限らない。会話には相手に対する配慮が必要なのだ。

  • 自分のための学習の場を設けている

例えば僕が「それはチカン。つまり、足を見るオジサン」と会話の中で発言したとしよう。懸命な方ならすぐにでも分かるが、足を見るオジサンは足フェティストであってチカンではない。逆に、「チカン」に足を見るオジサンなどという意味はない。そして実のところ、発言者は自分の使っている言葉の意味が分かっていないのだ。意味が分からないので誰かに聞いて確認したいのだが、人間には誰かに分からないことを聞くのは恥ずかしい、などと思ってしまう不可思議な習性がある。ネットで聞いても「ググれ」といわれるのが関の山だ。まして、「あの、足を見るオジサンってなんでしょうか?」などと聞いた日には変質者決定。
そこであえて自分から解説をしているような演出をしつつ、相手の反応をうかがうわけである。「おおー」などと相槌を打つなら恐らく意味は間違っているが、まぁ間違えたままで問題ない。「いや、それはね」などと丁寧に訂正してくれるなら、ありがたく教えてもらおう。「いや俺は意味は知らないけど、自分が分かっていないということを分かっているから俺はお前より偉い」とか言い出したら毒ニンジンでも飲ませよう。

説明台詞を言われた側も、このようなあらゆる可能性を考慮して対応して欲しい。